ページ内を移動するためのリンクです。

八ヶ岳スタイルWEB。八ヶ岳・北杜市・山梨の別荘ライフは泉郷

暮らす人の声

葉山から、八ヶ岳へ。八ヶ岳スタイル18号

葉山から、八ヶ岳へ。八ヶ岳スタイル18号

日本画を志し、描き続けてきたこれまで。

北海道出身のご主人は絵を描くことを志し上京、多摩美術大学に入学。そこで奥さまと出会い、二人とも日本画家を目指して、若い頃は南林間にあった米軍ハウス暮らし。奥さまは昭和24年、西荻窪生まれで立教女学院から多摩美術大学へ進み、アートの世界を志す若者たちの新しいムーブメントが世の中を動かし始めていた時代をともに生きてきた。
 「貧乏でしたよ、若い頃は。お金はなかったけど、志しだけはあったから生きてこれたのかな。だからどんなところでも暮らしていけるという思いは常にありました。」
 日本画を描いて生きていけるというは確かに稀なケースかもしれない。様々な条件が揃わないと、なかなか難しい。何よりも自らの強い意志がないことには。同時に多少は楽観的なところもないと、やっていけない。
 大きく変わり続ける時代の波間を生き抜き、もう少し自分のペースを大事にしながら絵を描きたいなという気持ちも強くなり、自然と葉山の次を探し始めたお二人に似合ったのが、ここ八ヶ岳だった。
 「とにかく環境がいいでしょう。気持ちにも余裕っていうか、ゆとりができてくると、自分で描きたいものが見えてくる。でも、まだここに来てからここの風景をスケッチしていないんですけどね。気長に1年間季節の移り変わりをよく間近で見て、それから描き始めますよ。それも楽しみのひとつです。」と2階にあるアトリエから、冬の富士を眺めながらゆっくりと流れる時間に身を置く。

八ヶ岳 別荘
八ヶ岳 別荘
八ヶ岳 別荘

東日本大震災の復興チャリテイ絵画展に出品する黒猫の絵。独特なボカシ具合が淡いグラデーションで優しい表情を見せる。岩彩の美しさを極限まで引き出す名手と言われる所以。
画室の窓の外には雑木林が広がり、樹齢のある木々が四季の移ろいを楽しませてくれ、冬にはその先に富士山を望むことができる。これも贅沢な風情。

そして、これからの人生。

p7 cake01.JPG

できるだけ自分の手で作るのもポリシー。
取材でお邪魔した日も手作りのフルーツケーキにウィンナーコーヒーを淹れていただいた。
そして、何と洋服も手作り!
ガーデニングが大好きな奥さまは、少しずつ広いお庭に樹木やバラを植えている。

10回近く引越しをしてきたお二人だが、いつもその時の自分たちに合ったいい場所を探しながら生きてきたのかもしれない。今のお二人にとっては、この八ヶ岳の風景がもっとも素敵に映ったのだろう。現在ご主人は神宮外苑で日本画教室を開いているので、定期的に東京にも出かけて行く。それでも、不便さはあまり感じないという。東京から山梨までのきれいな風景を眺めていればすぐに着くし、電車もそれほど混まない。
 「この町の人たちはみなさん分かっているのではないかと思います。どうしたら町がきれいでいられるかということを。自然なままであることがいいです。」
 奥様は、「葉山に住んでいた時は横須賀にある量販店に買物に行くだけで一日潰れました。鎌倉まで行くのも大変。特に夏は渋滞しますから。こちらへ来て渋滞がないことにはびっくりしました。」と、時間を有効に使えることに満足。
 「二人にとって葉山は今も忘れがたいところです。美しい海辺に20年余り住みましたので。今度はこの美しい山々に囲まれて暮らしてみるつもりです。私たちはまだ旅の途中ですから。」
 八ヶ岳に来てようやく1年を迎える前本さんご夫妻。この1年の四季の移り変わりを身近に眺めてきた。「街中では風の音や鳥の声はとても小さかったのに、ここの鳥たちは小さな体で大きな声を出すのに驚きました。また、買い物の行帰りに眺める山々が一瞬の内に様子を変えるのを、私は初めて知りました。」話しかけるように吹く風、画室から見える紅葉や雪景色、圧倒的な威厳を示しながらやってくる鹿達、それらは神秘的だという。
 「立派なおうちよりも環境が欲しかったのです。」と奥さま。葉山で育てていたバラの樹を移植しました。「私は自分で育てた花をモチーフにして日本画を描いているので、葉山では庭にたくさんのお花を植えていました。中でもオールドローズが好きで剪定せずに育てると自然に大きな樹形を造りだし見事な大木になります。いつかこの樹を描きたいです。」
 これだけ身近に自然の息吹を感じる毎日を送っていけば、八ヶ岳の風景を描き始める時もそう遠くはない。八ヶ岳にも多くのギャラリーがあるので、いつか、地元で前本様の新しい日本画を鑑賞することが今から待ち遠しい。旅の途中で出会った八ヶ岳の風景。前本様ご夫妻にとっては、充分価値があり、発見に満ち溢れている場所だった。

(この記事は2012年のインタビューです)

「八ヶ岳スタイル」とは?

セラヴィリゾート泉郷が発信する「快適な八ヶ岳ライフを実現するための地域情報誌」です!

八ヶ岳南麓(北杜市)で別荘・二地域居住・移住を叶えた方達の、そのプロセスや、現在の過ごし方などをお伝えするインタビューをはじめ、観光では気づきにくい地元情報やイベント・お店情報なども満載。 分譲地管理のページでは、豊かな自然の中ならではの困りごとの対処法や豊かな四季の暮らしを謳歌するために役立つ、多くのヒントをお届けしています。