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「家内のひと言で、すべてが始まりました。」 

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夫婦で考え方が合わないとうまくいかないでしょうね。我が家の場合は家内の大胆な思い切りで、八ヶ岳生活が実現したようなものです。
夏に採れたブルーベリーのシャーベット漬け。雪の降る日に窓の外を眺めながら、薪ストーブの前で食べると、格段に美味しさが増します。
冬でも手入れの行き届いたお庭。クリスマスローズが色鮮やかに咲いています。
大きな炉もご夫婦の労作。「ここで焼き芋を焼いて食べるんですよ。」最大の贅沢ですね。
薪割りが冬の間のメインの仕事。きれいに積み上げられた薪を見ると、宮田さんの技師としてのセンスを感じさせます。

宮田様ご夫婦の八ヶ岳の暮らし


昭和21年生まれ。団塊世代の走りの世代である宮田さんは、今から4年前、定年になる1年前に会社を辞め、八ヶ岳に移住されました。


取材に伺った日は、3 月中旬にも関わらず雪の舞う寒い日。そろそろ趣味以上に本格的に始めた畑の準備をしなければならない季節ですが、この日は2匹の愛犬、ミニチュアダックスフンドと一緒にくつろぐリビングでお話を伺いました。

年をとったら何をするんだろう?
「現役で仕事をしていた頃はね、登山が好きで、よくアルプスなんかにも泊りがけで行っていました。」山登りやアウトドアが好きだったことから、年をとったら山に住みたいなと思うようになった宮田さんご夫妻。

最初は何となくって思っていた夢が一気に現実のものとなった背景には、あるきっかけがありました。「50台も半ばを過ぎた頃、友達と定年になったら何をするんだい?という話をよくしていました。もちろん家内ともそんな話をしていました。」

それまで宮田さまは愛知県に自宅があり、八ヶ岳にもう一軒家を持つことを、どうすれば実現できるかを悩んでいました。

「だったら両方の家を持とうなんて考えないで、山へ引っ越せばいいんじゃない。」

奥様の勇気あるそのひと言で宮田さんの移住計画は一気に動き始め、別荘探しを始めてすぐにこの場所に巡り会え、「まさに衝動的に」購入を決意されました。「家内のひと言が大きかったですね。両方所有するのは無理だから、こちらを選べばいいっていうシンプルな考え方ですよ。やっぱり女性の決断力は強いですよ。私はどうしようか悩んでいたんですけどね。」

野菜作りへの挑戦
「人それぞれの価値観が違うから一概には言えませんけど、歳をとってから何もしないでいたら、それこそボケてしまうのではないかという恐れみたいなものがあったので、こちらへ来たら何かをしようと考えていました。」

愛知県に住んでいた頃からご近所の方に、家庭菜園を教えてもらい、少しずつ野菜作りなんかも始めていたので、八ヶ岳では本格的な野菜作りに取り組みました。近くの畑を通りかかった時、農家の方に相談したところ、あれよあれよという間に畑を貸していただけることになり、いきなり200坪の農園主になった宮田さんご夫妻。

「こちらの方はみなさんとても親切な方ばかりで、いろいろ教えていただきながらの野菜作りを始めました。」

最初の年からジャガイモ、玉ねぎ、ほうれん草、トマトにイチゴなど20種以上の野菜や果物を作り、夏には葉物野菜やインゲン豆が山のように収穫できて、スーパーで野菜を買うこともなくなりました。「素人の野菜作りでも、美味しいんですよ。甘味が違うんです。 全部は食べきれないからご近所さんに配って食べていただいたり、漬物を作ったりしています。」

4月から11月までずっと野菜作りをして、冬の間の仕事は薪割りがご主人の仕事。「結局ここに来てもう4年になりますけど、まだどこの山にも登れていないんですよ。」とご主人。「私も偏頭痛がなくなったし、風邪もひかなくなって。空気が違うせいかしら。」と奥様もすっかり八ヶ岳の住人に。

好きなことばかりさせてもらってますから。
宮田さんの別荘を訪問して最初に感じるのは、外観のデザインが際立っていることとお庭の手入れのよさ。そしてお宅にお邪魔するとトールペインティングや、パッチワーク、キルト、
絵など奥様の多芸ぶりが目を楽しませてくれます。

「今までずっとやりたいなと思っていたことを、いろいろ楽しくやっています。今度は犬の絵を描こうと思って、犬の写真を撮っているんですけど、なかなかうまく撮れなくて。」

畑の野菜作りも、イメージは奥様が描いて、作業はご主人という役割分担で八ヶ岳の生活を満喫されているご様子。

畑の野菜の隣に植えた6本のブルーベリーの木。1本は枯れてしまったが、5本の木からたくさん大きなブルーベリーが採れて、砂糖をまぶして袋に入れて冷凍しておくだけでデザートができあがり。山栗もたくさん採れるし、新しく楽しみを探すにはこと欠かないとおっしゃいます。

「それに、こちらの人はすごい親切なんです。最初はどんな人たちがいるんだろうって思ってましたが、人間関係で悩んだことは全然ないですね。別荘に暮らしている人たちもみんないい人ばかりです。」

まだまだ現役の宮田さん。
実はご主人、八ヶ岳に移住してからお勤めの仕事を再び始めています。愛知県内では技術工としてメーカーに勤務していましたが、同じ北杜市内のあるメーカーの工場で技術者募集の広告を見て応募したら、すぐに採用され、以来今でも週に3日出勤されています。

「自分の技術にはある程度自信は持っていたんですけどね、こちらの工場にも凄い腕を持った方がいましてね。それで私もまだまだ頑張らないと思いながら仕事をさせていただいています。」

以前勤めていた大手メーカーの時よりも、今の方が仕事が面白いという宮田さん。定年前に会社を辞めたからこそ、移住計画も、新しい仕事との出会いも、そして趣味で始めた野菜作りと、様々なことに取り組めたのではないでしょうか。

「いつになったら穂高に行けるのかなって、楽しみはもう少し先にとっておきますよ。」とお二人は素敵な笑顔で語ってくれました。

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